●夏期講習のご案内

7月中旬より8月末まで、当塾では夏期講習をおこないます。長い夏休みです。この機会に国語や社会を集中して学んでみませんか。

当塾の授業はすべて一対一の個別指導でございます。お子さん一人ひとりに対応するオーダーメイドの講習をおこないます。そのため、基本は90分授業4回でございますが、ご相談により授業業時間の変更、回数の増減なども承っております。

来春に受験を控えた方々は、この時期から過去問演習を本格的に始めることをおすすめします。志望校や併願校のみならず、出題傾向の似た学校の問題をピックアップして演習をおこないます。

また、当塾には受験生以外の方々も多く在籍しています。夏休みを利用しての読む力、書く力の育成に対応した講座などもご用意いたしております。たとえば論説文を要約する練習をおこなう講座には、毎年多くの受講生がいらっしゃいます。確実に力がつく講座です。

夏休みの宿題対策にも力をいれています。たとえば作文、読書感想文など、何をどう書くかなどにつきまして、ていねいに指導をおこないます。

夏期講習は、午前9時より授業をおこないます。世田谷区深沢の当塾での対面授業、オンライン授業のどちらかをお選びいただいております。

ご関心を持たれた際は、下記にお問い合わせください。お待ちいたしております。

当塾は、駒沢オリンピック公園(下の写真)のすぐそばです。 

●記述問題に取り組む

国語の入試問題のなかで、多くの受験生が苦手意識をもつものに記述問題があります。今回は、記述問題にどう対応したらよいかについて、具体例を交えながら記していこうと思います。

まず当然のことながら、解答に必要な情報を過不足なくまとめることが求められます。その際、問題文を読んでいなかったとしても、そのときの状況がわかるような解答にすることを心がけることが重要です。そのためには、なぜそうなったのかの理由を説明することが必要になります。

問題を解くとき、いきなり思いついた答えを書いてしまう受験生も多くいますが、まずは書くべきことを箇条書きにしてから、解答を書き始める習慣をつけましょう。そのとき、たとえば物語文で心情を問う問題ならば、その心情になった直接の理由、また心情自体が要素として入っているかを確かめることが大切です。

また、問題を解き終わったり、採点が戻ってきたりしたときは、ご自身の解答と解答例を良く見比べて自分の解答で足りないものを明らかにすることが大事です。上述の心情問題ならば、理由や肝心の心情が記されていないこともあることに気づくはずです。これを繰り返すことで、内容に過不足のない、簡潔で的確な解答ができるようになっていきます。

●鷗友学園女子中学校の問題より

記述問題の一例を見ていきましょう。女子校の新御三家のひとつとして人気の鷗友学園女子中学校の入試問題を取りあげます。物語文です。本校の国語入試問題は、漢字の書き取り以外は全て記述問題であるのが特徴です。

この問題文は、障がい者施設でくらす主人公が、自立をめざして努力するものの、現実のなかで限界を感じて苦悩するようすが描かれたものです。

問三
傍線部③「元気になったらまた面談すると約束して、カウンセラーはようやく出ていった」とありますが、「ぼく」は「カウンセラー」に対してどのように思っていますか。そのように思う理由もふくめて説明しなさい。
(平成29年度第1回 、大問1より引用)

登場人物の心情を理由をふくめて解答する、典型的な心情把握問題です。

状況がわかりやすいように、傍線部前の二段落を引用しておきます。

 そのとおり。だけど、だから何だって言うんだよ? ぼくの気持ちを教えてくれるのはいいけど、そんなこと自分でもわかってる。ぼくがほしいのは、どうすればできるようになるか、その答えだけだ。
「障がいを受け入れなさい。障がいといっしょに生きるようにするの」
 カウンセラーはそう言った。でも、だれが受け入れたりするものか。障がいなんて、たのんでこうなったわけじゃないんだ。じゃまなものでしかない。そんなものをどうして受け入れなくちゃいけないんだ? ひとごとだと思ってよく言うよ。

主人公の気持ちが表れた「そんなこと自分でもわかってる」や「ひとごとだと思ってよく言うよ」に注目します。カウンセラーは当たり前のことは話すが、主人公がほんとうに知りたいことには答えてくれません。そして「障がいを受け入れなさい」という、主人公が受け入れがたいことを言っています。ここで、この場面における主人公の心情が動く理由となるカウンセラーの言動をおさえておきます。

このようなカウンセラーに対して、「ひとごとだと思ってよく言うよ」と反発を感じ、また、傍線部に「ようやく出ていった」とあるように、カウンセラーの話が終わってほっとしているようすが読みとれます。これが主人公の気持ちです。

主人公の心情、そしてその心情にいたるきっかけとなるカウンセラーの言動をまとめたものが解答となります。解答例は下記です。

カウンセラーは、ぼくを理解しているようなことを言っているが、人ごとのような発言をするので、ぼくはいらだちを感じ、出ていってくれて良かったと思っている。

記述問題は、設問の趣旨を理解して書くべきことをまず箇条書きにできれば、正しい解答を作ることは決してむずかしくはありません。むしろ多くの受験生が苦労するなかで。ここを得意分野にすれば相当得点力が上がり、差をつけることもできることでしょう。一度、本気で取り組んでみてはいかがでしょうか。