●北上を続けている桜前線

今年は、桜を楽しむ機会がなかった、あるいは、桜を楽しむ余裕がなかったという方々が多いかもしれません。新型コロナウィルスは本当に様々なところに大きな影響を及ぼしていると実感します。当塾は、駒沢オリンピック公園のすぐ近くにあります。写真のように、もうほぼ花が散り、葉桜になっています。それでも、桜前線は今でも日本列島を北上しています。北日本では、まだ桜を見ることができるのです。

一般的には、桜前線は北上します。ただし、今年は東京での開花が日本列島で一番早く、開花予想日が3月14日、満開予想日は3月22日でした。これは観測史上一番早かったそうです。前線が北上するわけですから、気温が高いところから順に開花していくと思われますが、次のような法則があるそうです。

桜の花の開花時期についてわかっていること。

桜の花の芽は、咲く前ではなく、前の年の夏から作られていること。

桜は秋になって、日照時間が短くなり、低温になると休眠をするということ。


桜の花の芽は、一定の期間、低温にさらされ続けると、休眠から目を覚まし、休眠打破 といって、花を咲かせる準備に入ること。


休眠打破~休眠から覚めた後、気温が高くなるにつれて成長を進め、開花日を迎えるということ。


しっかりと寒い時期を過ごすことで、休眠打破の日は早くなり、その後、暖かい日が多くなるにつれて花が咲く日が早くなるということ。

どうやら秋から冬が寒く、春先に急に暖かくなると、花の成長が進むということのようです。実際に東京では10月から2月の気温は低く、3月は暖かい日々でした。

●地図帳を見てみましょう

ここまではどちらかというと理科の話でしたが、桜前線は社会科から考えても興味深いものがあります。福島県では、太平洋岸で一番南に位置し、一番気温の高いいわき市で桜が最初に咲きます。その後、太平洋岸を北上します。続いて、阿武隈川沿いの中通りに前線は移ります。この時普通ならば南から北に北上するのが普通ですが、まず北に位置する福島市、続いて郡山、白河という順番で南下していくのです。

これはなぜでしょうか。一般的に標高が高いほうが気温は低くなります。この地方は、南にいけばいくほど標高が高くなり、気温が低いのがその理由です。地図帳で等高線を調べてみましょう。桜前線の地図も載っているはずです。これも調べてみましょう。いろいろな発見があるはずです。

●樹々の生命力

さて桜に限らず、春に芽吹き、花を咲かせる樹々は、冬には葉を落とし、枯れ木のようでした。それでも春になれば芽吹き、つぼみとなり、花が咲くのです。そして、後に鮮やかな新緑の季節を迎えます。清々しい春から初夏です。秋には紅葉となり、ふたたび私たちを楽しませます。樹によっては、豊かな果実も、私たちを楽しませてくれます、そして、落葉し冬になります。冬には、花も、彩りを変える葉もないのです。枯れ木に見えますが、そうではありません。次の春のために、力を蓄える大切な時間なのです。先ほどの話にもありましたように、冬が寒ければ寒いほど、花は早く咲くのです。

樹はどの季節が幸せなのでしょうか。何も話してくれませんが、私は、冬の樹が好きです。枯れ木です。ですが、新しい花を咲かせたり、果実を育んだりするため、じっと寒さに耐えながら、力を蓄えているのです。命の強さが感じられます。命は変化しながらも続いていくのです。

●ピンチをチャンスに

新型コロナウィルスの影響で、なかなか思い通りの生活ができません。閉塞感を抱いている方も多いことでしょう。とりわけ来年、中学受験や高校受験を控えている皆さんは、勉強が思うように進まないなど、焦る気持ちもあるでしょう。ただし、これは全員に訪れたピンチなのです。ここで自分が今できることを見直し、学びを進めておくことが肝要に思います。ピンチをチャンスに変えましょう。

幸い、現在はインターネット環境を活用することで多くの情報を得ることができます。世田谷区の当塾でもズームを用いたオンライン授業を行っています。塾に行かなくとも、同じように学習ができます。現在、無料の体験授業を受け付けています。また、緊急事態宣言のもと、特別短期講習も実施しています。いつでもご相談をお待ちしています。