●東日本大震災から9年

3月11日を迎えました。東日本大震災から9年が経過しました。当時、会社勤めをしていた私、道路を挟んだ向かいのビルが、余震でわずかに左右に揺れていたのを思い出します。空は、曇っていました。車は道路に停まったまま動いていませんでした。心のなかのざわめきを忘れることができません。

現在、新型コロナウィルス感染症をめぐり、社会が大きく揺れています。
あの時とは異なる状況ではありますが、落ち着かない日々です。ただし、この事態もやがては収束していくことでしょう。以前のように平穏な日々が戻ることでしょう。しかし、この出来事を忘れてはいけないのだと思います、私たち一人ひとりが。

東日本大震災から、私たちは様々なことを学び、教訓としたはずです。この度の状況からも、きっと学ぶことが多いことでしょう。先々振り返って「あの時は大変だった」だけで終わらないように、大きな出来事を通して気づき、学び、次に備えていくことが大切なように思います。

●学びの勧め

当塾の対象となる小中学生の皆さんのほとんどは、学校が休校です。年度末であり、人によっては卒業間近であり、ほんとうにいろいろな思いが錯綜していることと思います。この期に、普段できない学びに挑戦してみることをお勧めします。学校の授業などが進まない分、苦手科目を徹底して学んだり、得意科目をいっそう深めたりと、いろいろなことができると思います。

教育の潮流は、時代に応じて変化します。例えば、詰め込み教育の反省からの「ゆとり教育」、また、その揺り戻しといった風に、時代の要請によって変わるものは変わっていきます。

一方で、変わらず求められる力もあると私は考えます。他人の意見を聞けること、そしてその意見を理解すること、また、他人の意見なども踏まえつつ、自分の意見を持つ力の重要性は、いつの時代でも変わりません。加えて、自分の意見を筋道を立てて整理すること、そして他人にわかるように話せること、書けることが大切です。社会に出て生きる力は、常に変わりません。目前に迫る中学校や高等学校の入学試験でも、こうした能力をいっそう重視する流れには変わりがないと考えます。

●明日に向けて

勉強は、試験に受かるためだけにするものでは本来ないはずです。上級学校に入ってから、あるいは社会に出てから役立つ知識や技能を身に着けることが重要だと私は思います。

当塾でも、常にこのことに留意して、生徒の皆さんが自分の頭で考え、自分の言葉で話しが出来て、自分の言葉で文章を書けるようになることを目指していこうと考えています。そのための力=論理的思考力の育成に力を注いでいきます。

さて平成23年3月11日から9年、現在もその傷跡に苦しんでいる方々は多くいらっしゃいます。私は、実際にこの地震で被災したわけではありません。ですから、多くのことを語れる資格はないと思っています。ただし、人それぞれの苦悩に寄り添える、想像力のある人間でいたいと思います。他人の苦労は、実感はできませんが、理解しようと努めていきたいと考えています。