●行きたい学校を探す
令和2年度の中学入試は終了しました。中学受験を希望する現在の小学校5年生は来年の入試に向けて、本格的な準備を始めることになります。また、下級生もそれぞれ中学受験にどう向かうのかを、今一度考えていることでしょう。
学校選びには様々な観点があります。共学か?男女別学か?大学の付属高校かどうか?部活に力をいれているか?生徒会活動が盛んか?など、様々ですし、学校の入りやすさ=偏差値も異なります。また、同じくらいの偏差値の学校であっても、スクールカラーはそれぞれ異なります。そして、そのカラーは伝統として受け継がれていることも多く、時代が変わっても変わらないものが多いようです。
男女共同参画社会である現代、もしかしたら、男子校、あるいは女子校への抵抗感があることもあるかもしれません。これは人それぞれなのですが、こういう時代だからこそ、あえて3年あるいは6年間を同性だけの社会で過ごしてみるというのも、一つの選択肢だと思います。別学ならではの貴重な体験ができるかもしれません。
なお、大学の附属中学校への進学も考えられるでしょう。大学の附属と言っても、ほとんどの生徒がその大学に進む学校、他の大学へ進む多い学校など様々です。これは良く調べておいたほうがいいでしょう、入ってみてからこんなはずではなかったとならないように。いずれにしても、学校選びは、しっかりと時間をかけて行うことが大切です。
●現在地を知る
さて、中学受験を目指す小学生は、ほとんどの子たちがいろいろな塾で行っているテストを受けたことがあると思います。もしも、塾のテストを受けたことがないなら、その塾に通っていなくとも受けられるテストがありますので、受けてみると良いでしょう。ここでまず、自分の偏差値を知っておきましょう。
なお、それぞれの塾のテストによって、学校の偏差値の基準は変わることは理解しておきましょう。志望する学校の偏差値がどの塾のテストでも同じわけではありません。テストを受けたら、そのテストの基準表を見て自分の現在の学力を把握しておくことが大切です。
あくまでも今の自分の現在地を知るということです。この時点は、ここは入れそうだとか、ここは無理そうだと、現時点で選ぶものではないと考えます。また、学校毎のスタイルや出題傾向は違います。算数受験など、教科を絞った入試を行っている学校もあります。学校の偏差値が仮に同じでも、求められる力は異なります。また、当然のことながら、あと約1年で学力は大きく変わります。可能性を自ら摘んでしまう必要はないのです。
●家族で話し合う
志望校選びでは、ぜひとも保護者の方々をはじめとするご家族との会話を大切にしてほしいと思います。現在の受験生の保護者は、ご自身も中学受験を体験された方が多いのではないでしょうか。その時の体験談は、子供にとってもっとも身近で役に立つ話になるのではないでしょうか。また、ご兄弟がいらっしゃれば、お兄さん、お姉さんの体験も活かせそうです。一つ留意すべきこと、それは学校の偏差値は、毎年変わっているということです。保護者の時代に必ずしも難関でなかった学校が、現在は人気校ということが良くあります。
中学受験の経験のあるなしは別にしても、共学の良さ、別学の良さ、あるいは大学附属校の良さなど、ご自身の経験を話すことは、家族のコミュニケーションの上でも大切なような気がします。
●学校を調べてみる
志望校選びの観点には、偏差値の他にもいろいろな要素があります。サッカー少年なら、できるだけサッカー部の活動が盛んな学校に入りたいと思うことでしょう。また、電車が大好きな子は鉄道研究会がある学校がいいと思うでしょう。学校以外の習い事をしたい子ならば、通いやすい学校の立地も考えたほうがいいかもしれません。
学校のことを調べる早道は、ホームページで学校情報を調べることです。カリキュラムはどうなのか、入りたい部活動はあるのかなどを正しく知ることができます。また、たいていは大学合格者の実績も掲載されています。希望の大学がある場合は、これも参考になります。インターネットや雑誌にも様々な情報があります。取捨選択しつつ、情報を集めていきましょう。
なお、文化祭や学校説明会に行くと、その学校の実際の雰囲気がわかることが多いと思います。文字や写真からだけでは伝わってこないものを感じ取ることができます。時間の余裕がある時に、自分の足で学校まで行ってみることをお勧めします。通学経路、通学時間から、学校周辺の環境まで、いろいろなことが見えてくるはずです。「ここに行きたい」という学校が見つかるかもしれません。
●偏差値だけでない学校選びを
学校選びの基準は、偏差値が中心になるのはやむを得ないことです。ただし、偏差値だけでは見えない、それぞれの学校の特色があります。また、どの学校に行ったかではなく、どのような学校生活を過ごしたかのほうが大切です。これについては、いずれまた、記そうと思っています。