青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の前で
一昨年の一年間、難関男子校に合格したお子様のお母様による受験体験記を掲載いたしました。二年経ちました。改めて中学受験についての思い、そしてお子様の今のご様子をご執筆いただきました。前半と後半とにわけてご紹介いたします。
「中学受験で息子が得たもの(前編)」
中学2年生の春休み。
ふと息子を見ていて、「中学受験で得たものは何だったのだろう」と考える時間がありました。
あの頃は、目の前の模試や偏差値、志望校判定に一喜一憂する毎日。
親子で必死に走り抜けていた日々でした。
当時も「やり切ったことに意味がある」と思っていましたが、入学して2年が経った今、息子の姿を見ていると、あの受験の日々がまた違った意味を持って見えてきます。
今振り返ると、中学受験は単なる「合格・不合格」ではなく、息子にとって一つの土台を作る経験だったのだと感じています。
まず何より大きかったのは、学習習慣が身についたこと。
受験勉強を通して、「やるべきことを毎日積み重ねる」という感覚が自然と身につきました。
ただし、中学2年生の現実はというと…。
正直に言えば、普段はそれなりにサボっています。
そして成長期のせいか睡眠欲が半端ない。目覚ましでも起きず、こんなに深く眠れるのが少し羨ましくもあります。
昼まで寝ていて、親としては「大丈夫なの?」と心配になることもありますが、不思議なことに定期テストの前日になると突然スイッチが入るのです。
それまでのんびりしていたのに、まるで別人のような集中力。
夜遅くまで机に向かい、驚くほど効率よく勉強している姿を見ると、「ああ、小学生の頃とは違うな」と感じます。結果はそれなりですが(笑)。
ただ、親としてはつい思ってしまいます。
「もう少し前からこの集中力が発揮されていたら、成績もっと上がるんじゃないか…?」と。
勉強量をもう少し分散できれば、本人ももう少し楽に過ごせるのではないかとも思います。
とはいえ、大人でもやる気が出るまでには時間がかかるもの。なかなか難しいのでしょう。
小学生の頃は、親が横について管理しないと進まなかった勉強。
けれど今は、必要なときに自分でギアを上げる。
そんな変化を感じる瞬間でもあります。
もう一つ思い出すことがあります。
息子は小さい頃から字がとても汚く、祖父母や先生から「読めない」と言われることがよくありました。
それでも私は、あまり気にしませんでした。
息子にとって「字をきれいに書くこと」が、とてもストレスに見えたからです。
無理に矯正するより、今は目の前のことに集中させてあげたい。
そんな気持ちでした。
ところが最近、ふと息子のノートを見る機会があり驚きました。
昔に比べて字が整い、ノートも見やすく整理されていたのです。
「いつの間に…」と、少し感動すら覚えました。
やはり人にはそれぞれの成長のタイミングがある。
焦らず、信じて待つことも大切なのだと改めて感じました。
そしてもう一つ、息子にとって大きかったのが男子校という環境でした。
その話は、また次回書いてみたいと思います。

