●文化祭の季節
秋と言えば文化祭の季節。皆さん何校くらい観に行かれましたか?
受験生のご家庭において、志望校の文化祭は学校を知る貴重な機会です。
生き生きとした生徒の様子がいちばん伝わってくるイベントです。
息子は文化祭の準備で毎日遅くまで仲間たちと協力しあい、お揃いのTシャツを作ったり、出し物を考えたり、文化祭の準備を楽しそうにしております。
1学期は毎朝起きられなくて大変だったのに、今は自ら起きてきます。現金なものです。
小学4-5年生のうちに文化祭を出来るだけ観に行くように、と塾の先生からアドバイスを受けたと思いますが、息子の頃は、新型コロナウィルスによってさまざまな制約がありました。
例年であれば、文化祭や体育祭に参加することを通じて「ここに行きたい」という思いを募らせ、受験を「自分ごと化」していきます。しかし、その様なイベントが開催されなかったりして制約されると、中学受験を「自分ごと化」するタイミングのないまま勉強しなければならない状況になることもあります。
息子が4-5年生時、説明会や文化祭は人数制限があり、予約サイトで申込みをしました。
先着順なので、パソコンとスマホを手元に準備し、時計の針を見つめ、定刻ちょうどになると同時に予約申し込みのボタンをクリックしました。個人情報などを素早く入力し先に進むボタンをクリック、ところが、画面が切り替わると「満員」の文字。「えっー!ここまでやったのに……」と気分が落ち込みました。あたかも大人気のアーティストのチケットを取るようでした。
1分で予約枠が埋まってしまう学校もあり、あまりの予約の困難さに親のスキルを試されているような気がしました。その時はご縁がなかったと諦めました。本当に不思議なもので、ご縁のない学校はとことんご縁がなく、諦めがついたものです。
●文化祭で学校を知る
そんな中でも、本命校を含め、何校か予約が取れ訪れることが出来ました。6年生になると、中学校側も限定の説明会やオープンキャンパス等、足を運ぶ機会をつくってくれました(冒頭の写真は、聖光学院中学校です)。
大変な年ではありましたが、いろいろ気づきもありました。
2020年の新聞で、教育ジャーナリストのおおたとしまささんのコラム「生徒中心の意思決定がなされているか コロナ禍中だからわかること」を読みましたが、コロナ禍における文化祭に学校の姿勢がみてとれました。
大人の都合でトップダウンの決定をしてしまう管理型の学校なのか、生徒中心で意思決定がされている自立型の学校なのか。個人的には、生徒中心の意思決定が尊重されている学校は、なんらかの形で文化祭を実施している印象でした。
その他にも、コロナ禍でのオンライン授業のあり方や、受験当日に特別措置がある学校・ない学校などいろいろ調べてみても良いかも知れません。
今は平常なので、説明会などでは良いことしかアピールしませんが、コロナ禍だからこそ見えてきたことがたくさんありました。困った場面でどう対処するか。どうリカバリーするか。正に真価の問われる世相だったと言えるのではないでしょうか。