「受験一か月前 息子の息抜き」

はじめに

受験生ひとりひとりに課題があり、悩みがあります。そしてそれを支える親がいます。親だからこそ感じることがあり、これは親にしかわかりません。親ならではの愛情、あるいは強さ、決意を折々で感じてきました。そんなとき、ある保護者のお話をお聞きしているうち、ここにその方の体験談を載せてみてはどうかを思いました。 この体験談は、今春難関男子校に合格したお子様のお母様の声です。もちろんそれぞれのお子様を取り巻く環境は異なりますので、誰にも当てはまることばかりではないでしょう。それでも何かしら保護者の方々の役に立てれば幸いだという気持ちから、しばらく連載を続 ける予定です。

中学受験体験記 序章

個性的な息子の居場所を探すため、新4年生からSAPIXに通わせ始めました。現在は無事、中高一貫校の男子校に通っています。学校生活にすっかり馴染み、毎日楽しそうに通学しているのを見ると、「受験させてよかったな」と思います。息子の体感で言うとクラスの2/3は元サピ生で、次に多いのは四谷大塚生だと言っています(実態はわかりませんが)。

平山先生の「国語の教室」との出会いは今から遡ること2年前、息子が当時5年生で、5月の実力診断テストで偏差値40.6をとり、このまま放置してはいけないと焦ったときです。文章を読むのが驚くほど速く、書くのは驚くほど遅い。そして文章をきちんと読んでいない。読み間違える。適当に答える。こんな状況でした。一方で自分の得意分野の物語文や説明文では、成績が大きく変動し偏差値60を超えることもたまにありました。そんな不安定な成績につき合うのは恐ろしく、文章を理解出来なくても、問題の型や解法のテクニックを学ぶことで点数を上げようと考え、プロの個別指導の先生にお願いすることを考え始めました。

ネット検索をしたら(世田谷、国語、個別)のキーワードで平山先生の「国語の教室」がヒットしました。自宅からも近く、ちょうど良い授業料設定で柔軟なスケジュールを組むことも出来、他の習い事を辞めずに済むことが決め手となりました。

体験授業では、文章を読み取る力、要約の練習が必要だと教えてくれました。そして自由な校風で息子の個性を伸ばしてくれそうな御三家の一つを進めていだだきました。早速文化祭を見に行き、若者たちのパワーを感じました。しかし息子は、「キラキラしていて楽しそうで陰キャ(陰気な性格の人)な自分とは合わない」と言い、目指すことはなかったのですが、先生から具体的に有力校を進められたことで、志望校選びを主体的に考える、という変化が生じました。

平山先生は個性的な息子の話を遮ることなくいつも耳を傾けてくれました。話を聞いてくれる先生を息子も信頼しておりました。ドライと言われるサピに慣れていたので、私自身も新鮮でした (サピの6年次はドライではなかったです)。平山先生とはそこからのお付き合いです。

息子は、最後まで偏差値が安定しませんした。偏差値が上下するというのは何か原因があるのだろうと思います。とは言え、ほとんどの子はその原因が分かっていても、点数を安定させるのは難しいのでは、と感じています。普通の小学生にはなかなか追いつかないところも多く、精神的な成長を待たずに受験日を迎えます。結局スイッチが入ったのは、2月1日の10日前です。それでも志望校に合格しました。

年が明け受験の直前を迎え、平山先生がホームページに書いていらした言葉が胸に刺さりました。「やれるところまでやればいいんです。」

息子の受験を通して私が感じたことを、これから記していくことにします。少しでもお役に立てることがあれば幸いです。