合格おめでとうございます。
前回のブログに引き続き、中学受験を終え志望校に合格された塾生の方からのメッセージを掲載いたします。
~合格された受験生のメッセージ~
僕は国語がとても苦手でした。偏差値50を超えたことはほとんどなく、30か40台でした。
そして、6年の10月から平山先生に過去問の直しを中心に教えてもらい始めました。最初は、過去問の文章の意味がわからない状態でしたが、文章の読み方や難しい言葉を丁寧に教えてもらいました。
授業はZoomでしたが質問もしやすく、僕がわかるようになるまでやさしく教えてもらいました。少しづつ過去問の得点が取れるようになってきて、苦手意識がなくなりました。
4月から通うことになった学校の入試では、国語が一番よくできたと思います。
志望校に合格することができ、先生にとても感謝しています。
僕はテニスが好きなので、中学校では思いっきり打ち込みたいと思います。
~保護者の方からいただいたメッセージ~
6年生の10月から2月の入試時期まで、大変お世話になりました。
息子は国語が苦手で、理科や社会の長い文章を伴う問題も苦にしている様子でしたので、
平山先生にご指導をお願いさせていただきました。
集団塾で解いた過去問の直しを中心に、文章の読み方や問題の解き方の要点などを丁寧に教えていただきました。苦手な中にも良い所を見つけてくださり、前向きな声掛けを繰り返していただいたことで、徐々に息子の国語に対する苦手意識が薄れていったように思います。読書も進んでするようになり、何気ない会話における語彙もいくぶん豊かになったように感じます。
年明けあたりからは過去問の得点が目に見えて良くなり、息子なりに自信を持って入試本番へ送り出していただきました。なかなか合格の報をお伝えできず、
先生をやきもきさせてしまいましたが、何とか志望校に合格することができ、心より感謝しています。短い期間ではありましたが、どうもありがとうございました。
●ほんとうに良かったと思います。
この生徒さんが当塾に初めて来られたのは、昨年の10月でした。中学受験生であること、国語が苦手であるということを事前にお聞きしていました。
最初の体験授業では、他教科に比べて相当国語に苦手意識を持っていること、実際にあまり得意でないことを、私なりに感じとりました。ただし、時折鋭い質問をしたり、地頭の良さを感じさせる返答をしたりする姿をみて、これからの頑張り次第だろうし、私もできるだけのサポートをしようと決意しました。体験授業は対面授業でお父様もご一緒でした。
当塾は保護者の方がいらっしゃることを歓迎しています。お互いによく知ること、話し合うことで、お子様の成績向上のために協力できると思うからです。実際の授業はすべてオンラインでおこないました。
入試までの時間が限られていたこともあり、志望校の過去問演習を中心におこない、とにかく得点力が上がるように、どこで間違えたのか、どうすれば正解できるのかを確認することを大切にしました。最初の頃はなかなか成果が出なかったのですが、年明け前後から得点力が大幅にアップしました。彼はとても真面目な性格で授業で学んだことをしっかりとメモをとりながら、自らの力で解く力を養っていったのです。見事でした。
この受験、お父様と生徒さんの二人三脚の部分も多かったように感じます。どうすれば志望校に合格するかおふたりで作戦を立てていました。その一環として当塾で学んだわけです。何とか責任を果たせた気がしています。そして、親子の底力をみたようにも思います。
ご子息の入学する学校は、文武両道の男子校です。体育会系の生徒さんの大学進学実績も
いい学校です。思う存分テニスをし、いろいろと学んでいくことでしょう。私の長男の出身校でもあります。実りある学園生活を送られることを、こころよりお祈りいたします。
●語彙の力を高めることのたいせつさ
今回合格された生徒さんは、語彙の学習にも熱心に取り組んでいました。これも合格の一因でした。国語の入試問題の多くは、論説文の読解、物語文の読解の大問二つに語彙、文法などの知識を問う構成となっています。読解問題にしても文章の中心となる言葉の意味がわからなては解答が困難になるわけですし、読解問題の中にしばしば語彙などの知識問題が含まれています。知識問題では満点近い点数を取らないと、合格はおぼつかないのでしょう。
語彙力の強化、ぜひとも忘れずに進めましょう。大学受験生ならばある程度様々な経験を重ねることにより、基本的な語彙力がついているケースは多いかと思います。しかし、中学受験生の場合、試験で取りあげられる文章の多くは大人向けのものです。それを読める語彙力をつけるには、専用のテキストなどを用いて学習しておくことが必須となります。
学び方、テキストは様々なものがありますので自分に合ったものを見つければいいでしょう。ここでは二点、留意したほうがいいと思っていることを記しておきます。
一つは脳研究者の間では有名なことのようですが、読む=入力ではなく、書く=出力が大切ということです。これはかなり浸透してきていると思いますが、池谷裕二氏の著書「パパは脳科学者 子どもを育てる脳科学」から一部を引用しておきます。
でも実は、入力訓練にはほぼ効果がありません。むしろ、覚えたことを思い出すとか、模擬テストを解くといった、「出力」こそが重要です。知識は、仮にきちんと脳に叩き込まれていても、必要なときにそれが出てこなかったら、外部から見れば「覚えていない」ことと同じです。
単語帳を何度も読み返すだけの学習では、あまり受験には効果がなさそうです。
もう一つ大事なことは、ことばの意味がわかっているだけでは不十分だということです。語彙などの知識を試す問題は、文脈から考えさせる形式のものもよく出題されます。ことばを使いこなす力が大切ということです。ことばの学習をするときは、それがどのような場面で使われているか確かめながら学んでいくことが大切です。
下記は、2022年度の聖光学院中学校の問題です。本校は難関校であり、これらの問題は必答のものです。知識を駆使しつつ、設問をよく読んで求められる解答を導き出すことになります。
大問二
次の①~⑤の文の波線部は、( )内の意味を表す言葉です。例にならって、▢▢にあてはまる言葉をひらがな二文字でそれぞれ答えなさい。
例 いくら彼でも、プロ野球選手には▢▢打ちできない。(まともに張り合って勝負する こと) →(答)たち
②日々の食事にも事▢▢生活を送っている。(必要なものがなくて困ること)
③▢▢半可な知識では、彼女にかなうまい。(十分でなく、中途半端なようす)
(答)②かく ③なま
(①、④、⑤は省略)
大問三 問一(物語文読解のなかの一問)
波線部A「こともなげに」、B「比類のない」、C「ありありと」について、これらの言葉を本文中と同じ意味で使っている文としてもっともふさわしいものを、次のア~オの中からそれぞれ一つずつ選び、記号で答えなさい。
A「こともなげに」
ア 買ったばかりのアイスクリームを落とした女の子がこともなげになきじゃくってい た。
イ こともなげに故郷にもどれずにいる彼は、望郷の念を抱いている。
ウ 段差にづまづいて転んだ男の子は、こともなげに立ち上がって元気に走り去っていっ た。
エ ありえない光景を目にした彼は、こともなげに立ち尽くしている。
オ 金メダルのかかった二人の戦いは、こともなげによって決着がついた。
(参考~波線部前後の本文)
モニターを見たまま、松島豊は首を傾げている。
「いつからやっているんだ?」
「ああと、結構前だな。学生の頃からだから、ここで働き始めるより前か」
「え」
Aこともなげに語られたその言葉に、滝田徹は動きを止めた。
「それがどうしたのか?」
「い、いや……」
つまりもう十年以上、下手をすると十五年近くも、松島豊はアヒルだったというのか。動揺を何とか押し込めつつ、滝田徹は松島豊の顔を見つめ続けた。
(答)ウ
(B,Cは省略)
ことばの学びは、地道に進めていくことが必ず成果がでてくるはずです。得点源としても確実なものとなるはずです。大切にしていきましょう。その際、「出力」を大事にすることが肝要です。
今日の体験記、お父様のコメントに「何気ない会話における語彙もいくぶん豊かになった」とありました。豊かな人生を歩むためにもことばの学習を大切にしたいものです。