●成果が出ないのはなぜか

「誰でも英語が話せるようになる」、「誰でもできるダイエット」などの本や講座などはたくさんあります。でも、これらの本を読んだり講座を受講したりした人が全員成功してするわけでありません。失敗しましたなどの話はよく見聞きします。また、ご自身で経験された方も多いでしょう。もしかすると、こうした本や講座の効果に懐疑的な方もいらっしゃるかもしれません。

なぜ、成果が出たという実感が持てないのでしょう。たとえば国語ならば漢字、英語ならば単語のドリルのことを思いだしてみましょう。なかなか成果が出ずに、途中でやめたり、別の本などに変えたりということはないでしょうか。そして、変えた本や講座も、ほんとうにずっと続けている人は意外に少ないというのが実感です。はっきりと目に見える効果が、すぐにはわかりにくいというのもあるかもしれません。

●やるべきことは「続ける」ということ

例えば、ダイエットをしている人、もしかしら、一日にかりに10グラムであっても、確実に痩せているのかもしれません。変化がわからないから、途中で飽きてしまうのではないでしょうか。もったいない話です。続ければ必ず効果が出るはずです。本や講座自体は、それぞれとても良くできているものだと思います。どれを選んでも大差はないのです。しかし、それに取り組む人の姿勢によって、大きな差がつくのです。

一日にやるべきことは、さほど多いわけではありません。一日十分から二十分時間をかけるだけでも、まずは十分なのです。私の中学時代の話で恐縮です。高性能のラジオを持つということが当時流行っていました。どうしてもそのラジオが欲しかった私は、ラジオの英語講座を毎日聴くことを条件にして、親に買ってもらいました。当初、あまり英語は得意でなかった記憶があります。動機はともかくとして、私は、約束を守り、毎日同じ時間に聴き続けました。最初はなにを話しているのか全く聞き取りができませんでしたが、数か月後には何とかわかるようになりました。そして、半年が過ぎたころには、学校の成績も上がり、中学時代には英語が一番の得意科目となったのです。

●続けることで力はついてくる

生まれつき頭の回転のいい人がいます。また、走るのが速い人がいます。これは才能です。そして、他の人が飽きてしまうことを愚直に続けること、これも才能だと考えます。続けること、もしかすると、最初は苦痛かもしれません。ただし、続けるうちに楽しくなり、時間が経つのも忘れていることに気づくはずです。おそらくこの時、脳のなかではドーパミンが出ているのでしょう。ここまで来たらしめたものだと思います。脳は、もっと高いレベルのことを求めるようになります。一度覚えた「学ぶ喜び」をもとにして、学びを進めていくのみです。勉強というと、文字通り、「強いて勉める」というふうに考える方もいらっしゃるでしょう。私は、そうは思いません。もちろん辛い時期もあるでしょう。それでも、その段階を超えれは、好きなスポーツやゲームをしている時と同じように、時間を忘れて学びに熱中できるようになるはずです。

●なんといっても「継続は力なり」

言い古された言葉かもしれませんが、何事も「継続は力なり」だと、私は思います。続けることで必ず何かしらの成果をあげることができると考えます。また、始めるのに遅いということもないでしょう。少なくとも、私たちの人生のなかで、今が一番早いことに変わりはありません。ですから今から始めればいいのです。今日は、少し、入試問題から離れて、普段感じていることを記してみました。

ところで、「継続は力なり」には、類義語がいくつかあります。たとえば、「涓滴岩を穿つ(けんてきいわをうがつ)」、僅(わず)かな水の滴(したた)りでも、長い間には岩に穴を明けるということから、絶えず努力していれば終(つい)には大事を成し遂げるということを意味します。また 「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」も似たような意味をもつ類義語です。次のことわざも、「継続は力なり「に通じるものです。「千里の道も一歩から」 または、「千里の行も足下に始まる」、遠い千里の道も足もとの第一歩から始まるという意味です。地道な努力が、大きな花を咲かせるということを忘れずにいたいものです。